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牛ケ淵の外来魚駆除事業を見に行ってきました。写真撮ってきたんで、適当に報告します。写真クリックすると大きな写真見れます。1つ200kB程度です。
牛ケ淵の地図≪マピオン≫海抜は、北西が高く、南東が低いです。この濠は、皇居の濠で最上流にあたる濠だそうです。
写真見ればわかりますが、海抜が高い北側は水がほとんどありません。で、南側はヘドロの沼地といった感じ。部分的に深いところもあり、そこではボートを使って網で捕っていましたが、まわりは長靴で歩ける程度の深さのようです。
牛ケ淵の北側(九段坂)から南向きに撮った写真
濠の向こう側の右手の土手の上に武道館があります
牛ケ淵と清水濠との間の、清水門の土橋上から北向に撮った写真。左奥に見えるのは武道館
捕まえた魚の仕分け作業
3番目の写真に写っているたくさんのバケツは、魚の種類ごとに仕分けしているものです。文字は読めませんが、ガムテープでラベリングしてあります。これを見ればわかると思うんですが、それぞれの個体はとても小さいんですね(・・・わかんないか。バケツに入るほど小さいということ)。これに対して、50cm級のバスもいたということですから、ものすごい数の魚を食っていたということになります(肉食性の動物が成長するためには、体重の10倍程度のエサを必要とするそうです)。
ギルです。
デジカメに光学ズームがついてないので画像が悪くてすんません。右の二つはギルを大きさごとに分けてました。3種類の大きさに分けていて、それぞれのカテゴリーで大きさがほとんど変わらなかったので同じ年に生まれたものでしょう。1年もの、2年もの、それ以上かな?
掲示物。億劫なんで縦横変換してません。4枚目と5枚目は同じ掲示物の上のほうと下のほうです。
関連リンク
財団法人 自然環境研究センター 皇居御濠のバスギルの駆除をしているらしい
環境省報道発表資料自然環境局担当
皇居外苑濠移入種対策事業の実施について2001.9.11
別紙「ブルーギル等の移入の実態
毎日新聞
外来魚駆除:皇居濠で一斉捕獲へ 30年ぶりに水抜き2003.2.13
朝日新聞
皇居お濠の水抜きゴミ撤去を開始 外来魚捕獲へ2003.2.25
皇居お堀でブルーギルなど駆除大作戦 投網で捕獲2003.2.27
お堀の外来魚捕獲作戦、大詰めに 50センチ級釣果も2003.3.3
読売ON-LINE
外来魚一網打尽に、皇居のお濠で捕獲作戦2003.2.27
ZAKZAK
皇居のお堀、在来種87%で予測大外れ でも「成果は得られた」と評価2003.3.8
2ch関連スレッド
【ギル96%】皇居のお堀を水抜きし外来魚を一斉捕獲へ【バス2%】 http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1045745320/
【ギル149匹】なぜ?皇居のお堀、捕獲は在来種ばかり【在来1815匹】 http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1046429713/
ゼゼラノートより
皇居外苑牛ヶ濠最終調査集計結果(2月25日〜3月6日)http://zezera.tripod.co.jp/data/ushigafuchi.html
どうやって入手したのかな?やっぱり調査した東京水産大学に電話した?ま、要らぬ憶測ですね。
調査結果の個人的評価
リリ禁ネットやら2ch関連スレでは、この結果を諸手を挙げて絶賛し、「やっぱりバスは何にも問題を起こさないんだ!」などと評価されているようですが、得られた「事実」をそのような「評価/結論」に短絡的に結びつけることに何の疑問も感じないんでしょうか?
彼らの態度を見ていると、彼らに都合の悪い報道に対しては枝葉末節にまで言及して批判する(そして、バスは悪くないという理由を必死で探そうとする)わりに、(一見)自分たちに都合の良い報道(例えばこの皇居のお濠騒動)に対してはその内容を無批判に肯定しています。
例えばこの報道にしても、なぜ重量ではなく個体数で評価するのでしょうか?重要なのは重量なのではないですか?この点から見ればこの報道は、彼らの嫌う“偏向報道”なのではないでしょうか?
ここでは、今回得られた事実から、どのような考察ができるのかの個人的見解を示し、「やっぱりバスは何にも問題を起こさないんだ!」というような短絡的な結論が得られるわけではないということを示そうと思います。
捕獲された魚種と数量(ゼゼラノートより)| 魚種 | 捕獲数量 | 比率 | 大きさ[cm] |
|---|---|---|---|
| モツゴ | 7689 | 70.9% | 5〜8 |
| ヌマチチブ | 1348 | 12.4% | 5〜8 |
| ウキゴリ | 137 | 1.26% | 3〜12 |
| ゲンゴロウブナ | 15 | 0.14% | 〜38 |
| ギンブナ | 20 | 0.18% | 〜40 |
| ジュズカケハゼ | 14 | 0.13% | 〜5 |
| トウヨシノボリ | 70 | 0.65% | 7 |
| ワカサギ | 64 | 0.59% | 〜14 |
| コイ(60cm以上) | 117 | 1.08% | >=60 |
| ソウギョ(100cm) | 10 | 0.09% | 100 |
| ハクレン(100cm) | 2 | 0.02% | 100 |
| うなぎ | 2 | 0.02% | |
| ブルーギル | 1299 | 12.0% | |
| オオクチバス | 64 | 0.59% |
特記:朝日新聞2月27日付によれば、「02年度の調査で、牛ケ淵の個体数推定値は1歳以上(成魚)のブルーギルが2531匹、ブラックバス105匹だった。このうち約1200匹のギルと75匹のバスを捕獲したが、取り残しや成長した魚がどの程度いるかは不明だという。」
特記:朝日新聞3月3日付けによれば、「この日だけでブラックバスは50センチ強が1匹、40センチ級9匹、ブルーギルは10センチ級が十数匹など外来魚計549匹。モツゴ、ワカサギ、ヌマチチブなど在来種2231匹。60センチ以上のコイやソウギョ、ハクレンなども91匹いた」
考察
・重量でみるべき
この考察は、Yahoo掲示板の考察を下地に少々手を加えています。
バスは0.5%くらいしかいなかったからということで、よく分かっていないまま、報道された結果をそのままウノミにしてバスはこんなに少なかったじゃないかと言っているわけだが、なんかピントがずれてるんじゃないだろうか。それが、そのままになっているので、どういうことなのか、どう理解するべきか、面倒だけど少し書いておくよ。
まず、ほとんどがモツゴでしょ。モツゴって関東ではクチボソね。大きさは、上に挙げたように大きくても8センチ程度。匹数で報道されているけれど、重量で考えないとまったく意味がない。だいたい、5グラムないのじゃないかな。実際に量っていないけど、容積5ccで5グラムでしょ。1ccは1cm角の水の重さだから、クチボソの細長い胴体を考えれば3グラムか4グラムじゃないのかな。(cf.イワシを買ってきて大きさと重量を測定したところ、215g/17匹でした。大きさは10センチ〜15センチだったので前の見積もりは見当違いではないと思います。ちなみに、12センチ以下のものでは、100g/9匹でした)
で、よくいわれていることだけど、魚食魚の相場ってものがある。つまり魚食魚が1キロになるには、だいたい累積10倍の重さの魚を食って成長するといわれている。1キロのバスには累積で10キロの被魚食魚が必要。これには時間の要素が加わる。つまり魚食魚と被魚食魚の再生産力やね。平衡するためにはこれが恒常的に安定であることが必要だろう。問題なのはバスには簡単にその平衡を破って増える能力があると考えられるからだ。
重量で考えると、お濠に生息している主な魚は上の表のようにほとんど最大でも10センチ以下の魚であり、これらがバスのエサになると考えると、おおざっぱには在来魚9000匹の重量は、1匹あたり5グラムとして45000グラム=45キロ。バスは、40キログラム以上の個体が10匹いたことが判明しており、ここによると、40センチ以上でおよそ1キログラムを越えると考えれば、これだけで10キログラム。残りの50匹あまりは、バサーに配慮して平均200グラムとしても10キログラムで合計20キログラム。
仮に20キロのバスがいたとしたら、すでにエサ不足状態で動きがとれないことが考えられる。20キロのバスに45キロの被捕食魚ではバランスがとれないだろう。これだけでも、捕食魚:被捕食魚の重量比は1:2ぐらいになってしまう。琵琶湖のバスでさえ、デラシネ氏の主張などでは重量比1%程度である。1%程度で問題ないとするならば(あくまで仮定であるが)、在来種は200キロ程度必要になってくる。
このように書くと、「コイ、ソウギョ、ハクレンをなぜ無視するんだ」という声が聞こえてきそうである。その理由は以下のとおりである。
ここで考えるべきなのは、「在来種VS外来種」という関係ではなく、「捕食魚VS被捕食魚」である。そして、それがたまたま大雑把な分類の「在来種VS外来種」に当てはまっているだけである。その例外としてコイやソウギョやハクレンを分類すべきなのである(もっともソウギョ、ハクレンは外来種なのだが・・・)。というのは、大きなコイがいくらいたって、バスはそれを食えないわけだから、コイの存在はバスとはほとんど関係ないでしょ。これらの食性も、コイが雑食性で小魚(=在来魚と言われているもの)を食べる可能性があるとしても、ソウギョ、ハクレンは草食性で直接的には今考えている「捕食魚VS被捕食魚」の中に入る余地はないわけだし。
そんなわけで、これまでの駆除の結果にもかかわらずこのような比にあることは、充分に問題にすべきことであると考えられる。
見積もりとしてはひじょうに大雑把なものだが、異なる結論を導くほど誤ってはいないと思う。
・時間の思考が入っていない
先日「生物の増殖に関する数学的アプローチ」をアップしたが、この皇居のお濠の状況が、このグラフのどこにあたるのかの考察が抜けている(べつに完全にこのグラフを元にせよというわけではないが、少なくとも、移入直後、増殖(遷移)段階、安定化の3つの段階のどこにあたるかを考えるべきであるということ)。リリ禁ネットなどでは、時間が充分に経過して安定化している状態を勝手に仮定しているが、それならばまだ遷移状態であることはどのようにして否定されるのか?上に述べたように、重量比1:2というのは捕食者と被捕食者の比としては異常なものである。もしまだ遷移状態であるならば、今後在来種を駆逐してしまうことも考えられる(数学的アプローチで述べたモデルは連続モデルであり、捕食者が駆逐してしまわないようなある程度個体数の多い系には近似できるが、小さな系では被捕食者が再生産する前に絶滅することもありうる)。また、毎年の駆除によって外来種の量は減っている。これらの可能性を排除して既に安定化しているというのならば、その根拠を示すべきである。
・他の要因による可能性を全く排除してしまっている
最近思うのだが、バスギルセットでは、ギルがバスをも駆逐してしまっているように思う。京都の深泥池しかり、琵琶湖しかり、そして皇居しかり。私としては、今回の調査結果はその論理を補強するよい例になったと思っている。・・・だからといってバスが無罪であるとは一言も言っていない。バス単独で問題を引き起こしている例は、海外の報告にしろ国内の報告にしろたくさんあるからである。個体数としてギルが多くバスが少ないこと、また、バスが再生産できないのはこのためではないだろうか?
2点目として、水質が悪く繁殖できない可能性もある。在来種は、長い時間をかけてこの環境においても生存できる種が生き残ってきたと考えられる。牛ヶ淵に最も多かったモツゴは、ここにあるようにこのような環境に比較的強い種である。それに対してバスは、悪環境に比較的強い種と言われているものの、皇居のお濠のような環境ではさすがに爆発的には繁殖できなかったのではないだろうか(もっとも、可能性として書いてみたものの、私はこの可能性よりも他の可能性のほうが強いと思っている)。
・今回得られた外来魚の総量が、以前の調査での外来魚の部分量よりも少ない理由を説明すべき
・毎年行われている人為的駆除の効果を考慮に入れるべき
「ブルーギル等の移入の実態
なお、前回の駆除は同年度内であるからこの期間内に外来魚が繁殖していなかったとすると、今回の捕獲で期待されるギルの量は2531−1200=1331匹(実際1299匹)でほとんど予測どおり、バスの量は105−75=30(実際64匹)で、予測よりも多く捕獲されている。この予測からみても、今回の捕獲量は意外なものではなく、むしろ妥当な結果が得られたとみるべきであろう。
以上、私が可能性としてありうると思われることを挙げてみた。「バスは無害である」ということを示すためには以上のことを論理的に否定していただく必要があるが、「バスは無害である」と結論付けられた清水国明さんはじめとするバサーの皆さんにはできるだろうか?
補記みたいなもの(2005.8.11記す)
上の文章は2003年3月に書いたものです。
このホームページを立ち上げたのとほぼ同時期であり、考え方がまだしっかりとは定まっていない頃のものではありますが、上の考え方に関しては基本的に“ズレた”ものではないと今でも思っています。皇居の御濠の調査結果に関しては、環境省の特定外来生物選定会議オオクチバス小グループ会合で中井委員が提出した資料の中にも分析がありますが、それと私の考え方とも大きくずれてはいません。
さて、なぜ今さらこのような補記みたいなものを書いているのかというと、バス害魚論研究というホームページでこのページが紹介されたからですね、一言書いておこうと思ったわけです。
このページによると、私の分析では「テナガエビやザリガニの甲殻類、水生昆虫をバスが捕食対象にしていることをすっかり忘れて」いるので、分析は「全くもって致命的な欠陥」を孕んでいるとの主張です。
なるほど、たしかにデータの中には甲殻類や水生昆虫の分類がなく、分析としては完璧なものではないでしょう。しかし、これらの要素が抜けていることが有意に問題であると指摘するに至るにはあまりに考察が不十分ではないでしょうか。皇居の御濠の調査ではそれぞれの魚類の組成比が具体的に示されています。上記の中井委員が提出した資料では重量データまで記載されています。「無数にいた」とされる(*1)甲殻類等への捕食を考えた場合に、私や中井委員の指摘が不適格で魚類への影響が見られないとする結論を導くにはいったいどれだけの甲殻類がいれば良いのでしょうか?それは現実的な量でしょうか?規制を望む人たちは具体的に数字を揃えて問題を指摘しているのですから、それに異を唱えるのであれば同様に具体的な数字を挙げた議論を展開していただきたいものです。
中井委員資料にあるように、「オオクチバス・ブルーギルの生息する8 つの濠では、ジュズカケハゼやモツゴなど既存魚種の生息密度が有意に低かった」という結論が得られています。甲殻類等がどれだけいようが、生息密度が有意に低かったという事実に変わりはありません。
(*1)「される」と書いたのは、これはあくまでそう言っているという人がいるというだけでそれを示す根拠は何もないわけです。科学の世界では、反対者が資料を持ってくるのは当然のことです。理系を極めたheiizoheizo氏であればこの程度のことはよくわかっているべきことであると思うのですが。ソースがないのであれば、極端な話、根拠のない陰謀であると言われて終わりです。
ついでなので「意見交換の必要性と重要性」ということについて少し思うところを書いておきます。
私たちが、発言をしたり、ホームページを作ったり、掲示板に書き込みをしたりするのは、自分の考えを皆にわかってほしいから、納得してほしいから、理解してほしいから、賛同してほしいからだと思います。
しかし意見表明に対して全員が賛同してくれるとは限りません。意見に食い違いや齟齬や対立などが生まれたりすることもあります。
それを生じさせている理由にはさまざまなものがあるでしょう。例えば一方向からの偏向的な見解だったり、物事を判断するにあたっての情報不足だったり、また単純に自分が気付いていないことだったり。
こういったことを解消し、お互いの溝を埋めてどこまでが共通理解なのかを探り、落としどころを見つけるために、私たちは意見交換をするのではないでしょうか。
その意味でインターネットはとても便利なツールになる可能性を秘めています。インターネットにつなげる環境にある人であればどこにいても誰でも意見表明の場に参加することができますし、全国、全世界の人に考えを知ってもらうことができます。
翻って、ブラックバス問題でも相変わらず意見の齟齬が生じています。齟齬があるからこそ、私たちは意見交換をして相手の考えに納得したり、足りないところや問題点を指摘したりしていかなければなりません。そして共通の認識を形成していかなければなりません。
ここで上記のheizoheizo氏です。heizoheizo氏はなぜ、ブログという意見交換が容易にできるシステムを利用しているにもかかわらず、コメント欄やトラックバックを停止し、意見交換を拒否し続けるのでしょうか?バス害魚論の研究を標榜し、しかも報道だけではなくレスポンスができる私のような個人のホームページに意見をしてくるのならば、コメントできる環境を用意するのは当然かつ必要なことではないですか?
雑誌『BASSER』にも紹介されたホームページです。きっと多くのBASSERが閲覧していることでしょう。そこで意見交換することは非常に有意義なことだと私は考えます。それとも、他人の意見を受け付けず(これまでもたくさんの反論がheizoheizo氏の日記に寄せられています)、あくまで主観的で一方的な見解や情報を発信し続ける(危険性を秘めた)ページで居続けますか?へいぞうさん。
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