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私たちが文章を書いたり、考えを口にしたりするのはなぜでしょうか?
それは、自分の考えている主張、メッセージなどを伝えたいからだと思います。
では、主張はどのように形作られているでしょうか。
例えば、「パソコンをすると頭が悪くなる」と言いたかったとしましょう。しかし、それだけを言ったとしても読者が納得しないことを書き手は十分に知っています。そこで書き手は1段遡って、「なぜそう考えるのか」という、結論に至る「理由」を添えるのです。これで読者に、自分の考えを納得してもらいたいというわけです。概念図にすると下のようになります。

翻って、読者の立場から見てみましょう。逆の立場である読者も、実は同じプロセスを歩んでいます。
書き手のある主張に対して、それがもし読者の知らないことや、読者の考えと違うことであれば、読者の頭の中にはおそらく自然と「なぜそのように考えるのか?」「どうすればいいのか?」「それは正しいのか?」などといった疑問が発生するでしょう。そこで読者は、書き手の主張の根拠は何なのかを探す旅に出るのです。

ここで、示された「理由」で疑問がすべて解決するとは限りません。この「理由」にもさらに疑問が生じることもあります。そこで書き手は、さらに1段遡って疑問に答えます。もしこれにも疑問が生じるのであれば、またさらに1段遡ります。

このようなQ&Aを繰り返すことにより、お互いが納得するところまで掘り下げる作業(=お互いの意見の不一致が生じている原因を見つけていく作業)が「議論」だというふうに私は思います。
これはこれまで何回か掲示板でも書かせてもらいました。「意見の食い違いが生じたら、その意見を導くために使った前提を確認する。その前提もお互いに同意できないのであれば、さらにさかのぼる。そうやって遡って遡っていって、いったいどこまでが合意点なのか、どこが不一致点なのか探ることがお互いにすっきりするやり方」であると。
さて、上の構造でわかるとおり、文章とは「自分の主張」と「それをサポートするもの」で成り立っています。読者の立場から見れば、「書き手の主張(=Qとなりうるもの)」と「その答え(=A)」ということになります。この構造を成り立たせるために必要なものがいくつかありますので書き出して見ます。
1.事実を正しく認識すること(思い込みや先入観を排除すること)
自分が最終的に述べたい主張をサポートする内容、つまり前提が間違っていたら、導かれる結論も当然おかしなものになります。そうならないために、事実をきちんととらえ、思い込みや先入観をなくすよう心がけることが大切です。
思い込みや先入観かどうかをチェックするためにはどうすればいいでしょうか?それは、上にあるピラミッドを意識すればいいのです。自分がなぜそう思うのか、さらに掘り進めて根拠を考えます。そうやって一つ一つ事実を確認していって、事実と考えてよいと判断できるようになってはじめて「前提」として主張をサポートする根拠として使えるのです(もしもそのような作業をやっていなかったとしても、きっと他の人が気づかせてくれるでしょう。「あなたがそのように考える理由や事実はどこにあるのですか?」と。)
2.疑問形で終わらないようにすること
主張というのはQ&Aの“A”のほうです。Qではありません。
最初にも書いたように、私たちがなぜ文章を書くのかといえば、「自分の考えを伝えたいから」であり、逆に読み手もそのように読むのです。読者が他人の文章を読むという作業は、その人の主張を探ろうとする行為です。
ですから、「筆者の主張はなんだろう?」と身構えて読んでいるところで文章がQの形、つまり疑問符で終わっていると、読者はなんだか梯子を外された気持ちになるでしょう。“筆者は何を言いたかったのだろう?”と。
そこで読者は、書き手の主張を推測します。書き手の立場やそれまでの意見、もしくは賛同する立場の人の考えやそれまでの自分の経験などを踏まえつつ。
この推測が正しければよいのですが、外れていることもあるでしょう。
外れているということは、読者の想像力が足りない、読者が悪いということではありません。書き手が読者に誤解を与えているということであり、書き手の責任なのです。このような不幸な事態を招かないためにも、書き手は【自分の主張はなんなのか】を明確にすることからはじめることが必要なのではないでしょうか。
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